京風 お月見団子
 

古来、中秋の名月は陰暦八月十五日の満月を指し、新月から数えて15日目の満月です。
因みに今年の十五夜は九月十日になります。
この夜、三方に衣被(里芋の子を皮付きのまま蒸したもの)を盛り付けて供えて豊作を願いました。
そんなところから、この夜の月を『芋名月』とも謂われます。
また、陰暦九月十三日の夜の月を十三夜(今年は十月八日)と謂われ、
新月から13日目のちょっと満月手前の月で、『豆名月』とか『栗名月』と呼ばれ、
五穀豊穣、豊作への感謝の月見になります。
尚、兎と月については、諸説有りますが、インドの仏教伝説『月と兎』の話からのようです。

この十三夜の月見をしないと『片月見』と言って嫌われたそうです。
両日の月見がお天気にも恵まれて叶うと縁起がいいそうです。
今年も月見の夜のお天気が気になるところですが、
生憎の天気ならば月を思い浮かべての一献のも乙なもの・・・。

京風 お月見団子
   
   
1-1 1-2
   
1-3 2-1
   
2-2 3
   
4-1 4-2
   
4-3 5
   
6 7-1
   
7-2 7-3
   
 
7-4  
 
 
材料 (約15個分)
 
上新粉 140g
上用粉 60g
熱湯 240g
小豆漉し餡 400g
 
製法
(1) 上新粉と上用粉を良く混ぜてからボールに入れ、熱湯を注ぎ入れ、粉のフシが出来ないよう良く混ぜ合わせます。
(2)

台の上に空けて更に良く揉んで、しっかりした餅状にします。

(3) 手に少量の水を付けて、一個30グラムの大きさに切り分けます。
(4) 一旦、綺麗に丸めて、工程写真のように手のひらに挟んで転がしながら、里芋(衣被:きぬかつぎ)の形にします。
(5) 蒸し器に濡れ布巾を敷き、お団子を並べて強い蒸気で30分程蒸します。
(6)

蒸し上がり後、自然に冷まします。

(7) 小豆並餡を20グラムぐらいずつに切り分けて置きます。
餡玉を細長い俵型にして手に取り、その上に完全に冷めたお団子を載せて、両手で握ります。
(8) 小豆漉し餡には握った時の指の後が入り、それが雲の形に見立てて有り、里芋は仲秋の名月に見立てて有ります。
つまり、この月の名月の日に衣被を三方に盛って仲秋の名月を楽しんだところから由来して、お団子を小芋の形にして有ります。
   
備考
ご家庭の蒸し器やガスの火力の状況で、多少の蒸し時間に差が生じる事と思いますが、良く蒸されたお団子は表面に艶が良く出て、澄んだ乳白色になります。
食べた時に歯にくっ付く様なら、蒸し加減が足りないので再度、蒸して下さい。
 

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